八ヶ岳野辺山100kmマラソンは7名が完走
H15.05.12

-コースは「」,天候条件も「」の中,7名がみごとに完走を果たした−

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スタート5分前左から石川・三野・田村・三田・木下・武捨・八木
女性陣(高橋・徳武)はどこ?
それにしても,石川以外は全員CWXを着用とは!?

 金曜日までの天気予報では「日曜日の野辺山地方は快晴」と言っていたのに,土曜日になるといきなり「雨」に変わっていた.すでに準備をすませていた荷物をあわてて詰め替えた人も多かったはず.土曜日には宿泊組みの石川・武捨・三野・高橋・徳武が現地入り,三田・田村・木下・八木は当日早朝に現地入りとなった.

 スタート前には残念ながら全員集合はできなかったが,スタート5分前,右写真の記念撮影をおこない,お互いの健闘を誓い合った.

 午前5時,いよいよスタート.ピストルの合図とともに1000人以上の集団(100kmの部は約900人)が動き出す.NMC勢も田村を先頭に順調な滑り出し,長い一日がはじまった.

 途中JR最高地点を経て10km手前から未舗装のトレイルに入る.まだ距離が短いのでアップダウンはそれほど気にならないはずだ.雪の残るトレイルを進むと,18km地点がコース最高地点で標高1908m.そこからさらにアップダウンを繰り返し,未舗装が終わると35km地点の稲子湯トランジットに到着する.トレイルでのNMCメンバーの走りをすべて確認したわけではないが,石川が把握している限りでは,徳武さんがこの段階ですでに苦しそうな感じだった.未舗装に不慣れだったのかもしれない.また三野さんは長野マラソンのケガが癒えていなかったようで,「下りが走れないようだったらリタイヤする」と言っていた.私もそれを聞いて,もちろん残念な気持ちもあったがほっとしたという気持ちも正直あった.かたや石川本人はすでに15km手前から歩き始め,トレイルを下りきった26kmエイドで早々にリタイヤ宣言を出していた.私の完全な判断ミス,やはり野辺山はスタートすべきではなかった.

田村,余裕の表情 三田,まだまだ 木下,順調 八木,元気だ
高橋,こっちも元気だ 三野,ちょっと疲れたか 三野・高橋ツーショット 徳武,ちょっと苦しそう
35km稲子湯トランジット,石川以外は全員通過,武捨さん写真ありませんでした(ゴメン)

 石川はリタイヤ宣言のあとオフィシャルの車で稲子湯へ移動.34km地点で苦戦中の徳武さんを発見したが,そのまま声もかけず稲子湯に到着した.ちょうどそこでは武捨さんが休憩中,三野さんと高橋さんはちょうど出発するところだったのでツーショットを一枚撮影.そして私は温泉に入った.湯に浸かっていたらTV取材が来た.「皆さんレース中でしょ」「レース中に温泉に入るなんてどんな気分ですか」「完走を目指しますよね」という質問の連発に「すでにリタイヤしました」とは言えなかった.

 三野さんは中間点までの下りが困難となり,50kmでリタイヤ宣言.一方徳武さんはこの下りで元気を取り戻したようだ.しかし,なんでもこの下りで転倒したとのこと,すりむいたヒザが痛々しかった.中間点を過ぎ,中盤から後半の登りがはじまる.馬越峠手前の大きなエイドは71km地点の滝見の湯.石川は乗用車で先回りして選手の到着を待った.そこへまず田村さんが到着.中間点まではコースレコード並みの走りだったが,やはり疲れたかここでは40分近い遅れとなっていた.しかし表情は元気そう.みつまめを食べて元気に馬越峠に向かっていった.40分ほど後に三田さん,さらに5分遅れで木下さんが到着した.ベテランの三田さんはともかく,木下さんがこの位置でまだ元気そうなのはこれまでに無かった感じ.今までオーバーペース&失速を繰り返していただけに,今回はいい結果を残せる予感がした.

 ちょうど木下さんが出発した直後,ショートマラソンに出ていた柳沢さんが応援に駆けつけてくれた.続けて武捨さんが到着.昨年はここがゴールだったが,今年は単なる通過点.ここから未知の道(シャレじゃないよ)に挑む.八木さんがこの次ぐらいにいたはずなのだが確認できなかった.そして高橋さん到着.5年ぶりの野辺山で,カゼ気味とは言っていたが,力強い走りで坂を登ってきた.最後に2時半徳武さん到着.先頭の田村さん出発からすでに2時間近くが経過している.もう田村さんは馬越峠を下りきっていたはず.また三田さん・木下さんも馬越峠のほぼ頂上にいた頃.そして八木さん・武捨さんは馬越の強烈な登りに苦戦していた頃だ.ちょうどこの頃から雨脚が強まって気温も下がってきており,ただでさえ失速するウルトラの終盤,しかも峠越えでこの雨と寒さはランナーたちから容赦なく体力を奪っていく.終盤本当に厳しいランになるであろうことはもはや明らかであった.

田村,みつまめをハシで食べる 三田,ちょっとばててきた 木下,今年は違う!
武捨,昨年はここがゴール 高橋,まだ余裕 徳武,笑顔
71km地点,滝見の湯,八木さん未確認(ゴメン)

 最後の徳武さんを元気づけて送り出し,石川夫妻と武捨夫人,柳沢さんはゴール地点の野辺山へ向かった.相変わらず雨風が強い.こんな中で馬越峠や90km以降の登りに挑むなんて,想像を絶する戦いだ.私は「早々にリタイヤしてよかった」と,ちょっと不謹慎な想いが頭をよぎった.

 ゴール地点,大雨だったので,暖かい体育館で選手の到着を待った.武捨夫人の携帯電話に入るGTMailsがどうもイイカゲンなので,石川が滝見の湯の通過情報から全員のゴールタイムを予測し,その指示に従ってゴールを見に行った.まずは予想通り田村さんが11時間台でゴール.二人のお嬢さんと奥様も満足そうだった.続いて武捨さんと,1分遅れて木下さんがぎりぎり12時間台でゴール.表情はみな,終盤の苦戦に打ち勝った満足に満ち溢れていた.三田さんは終盤の寒さ対策としてスピードアップをはかるという常識破りの戦略に出て,野辺山の自己ベストを更新する走りを見せた.私の予想が大きく覆されたため,ゴール写真が撮れなかった.

三田さんがいるはず
田村,ご家族も満足顔 武捨,八ヶ岳を制覇
木下,今年は快走 八木,初100kmを完走 高橋,やってくれました

 木下さんのゴールから30分後,100km初挑戦の八木さんがついにゴールにやってきた.武捨さんと87kmのエイドで一緒だったとのこと.馬越峠の下りを爆走してあとはヨレヨレだったとか.それでもこの天候条件でゴールにたどり着いたのは,やはり基本走力があるからだ.そして制限時間12分前,体調が心配されつつも要所要所で元気な姿を見せていた高橋さんがみごとにゴール.5年ぶりに八ヶ岳を完走した.そして最大のドラマは制限時間44秒前に待っていた.滝見の湯での様子から,石川は徳武さんの完走を50%と見ていたが,終盤の悪条件の中を粘って,文字通り血と汗と涙のゴール.NMCメンバー全員に感動を与えた.NMC男性陣は高橋さんと徳武さんの走りに,「女性は強い」を改めて見せつけられた思いだった.

 初100kmを完走した八木さんと,感動のゴールを果たした徳武さんから完走記が届いたら,大会報告のページに移行します.なお100km完走回数ランキングは,この大会の結果,一位三田(12回),二位石川(11回),三位田村(10回)となったことを付け加えておきます.

徳武,時計に注目,制限時間は19:00:00 柳沢さんと徳武さん
この表情がすべてを物語る
体育館のステージで,一人を除いてみな満足顔
左から石川・三田・八木・徳武・武捨・木下・高橋
(三野・田村は先に帰宅)

(最終結果)

総合順位 番号 氏名 記録 部門順位 部門
131/570 466 田村 裕美 11:42:11 123/535 100km男子
181/570 462 三田 茂延 12:09:49 172/535 100km男子
310/570 468 武捨 俊之 12:58:47 295/535 100km男子
312/570 504 木下 幸一 12:59:36 297/535 100km男子
397/570 810 八木 正孝 13:29:03 372/535 100km男子
498/570 1041 高橋 百合子 13:48:06 33/35 100km女子
558/570 1042 徳武 さおり 13:59:16 34/35 100km女子
-   三野 輝一 50km - 100km男子
-   石川 正昭 26km - 100km男子

田村:稲子湯はコースレコード(2002年石川,35km通過タイム3時間18分)より数分早い通過,中間点もほぼ同タイム.この時点ではコースレコード更新の期待も高まったかもしれません.しかし後半疲れたか71km滝見の湯で30分以上の遅れとなり,結果は11時間42分04秒.それでも本人はスタート前に「11時間台で入りたい」と言っていたので,そういうところはベテランらしい走りでした.二人のお嬢さんと手をつないでのゴールもよかったです.「お父さんすごいね」と話かけたら,二人ともうれしそうにうなずいていたのが印象的でした.

三田:すでに自己分析済みです.ランネットのGTMailsの調子が変だったので,全員のゴール予想タイムを石川が人間GTMailsで予想していました.三田さん以外はほぼピッタリの予想でしたが三田さんだけは予想が大外れ.あの大雨で大失速あるいはリタイヤもありえるかと思ったらとんでもない.終盤の大加速で野辺山の自己記録を更新する走りでした.恐れ入りました.

武捨:堅実な走りですでにベテランの域に入りつつあります.フルからいきなり100kmへの挑戦をせず,昨年71kmを完走してからという堅実なステップアップが,今回の快走につながっているでしょう.馬越峠は楽しめたでしょうか.飯泉さんともどもここまでウルトラ経験を順調に重ねてきているので,この辺で一度ウルトラの厳しさを味わってほしいなと班長は内心思っています.

木下:前半オーバーペースで後半大失速というレースが続いていましたが,今回は一味違いました.前半三田さんのすぐ後ろにつけ,決して前へ出ない我慢の走り.後半もそのまま大崩れすることなくゴールにたどり着きました.ウルトラでは順調な飯泉さんや武捨さんとは対照的で木下さんは失敗を重ねてきているだけに,100kmをよく知っているという域に達してきたかもしれません.

八木100km初挑戦にこの野辺山を選び,みごと完走を果たしました.滝見の湯で姿を確認できなかっただけに,野辺山駅前(ラスト300m)で姿を見つけたときはほっとしました.昨年のくびき野の三野さんや一二三さんと同様でフルの走力があるだけに,なかなか100kmを楽しむというのははじめは難しかったかもしれませんが,いかがだったでしょうか.ぜひ完走記をお寄せください.

高橋:カゼ気味で練習不足も心配と言っておりましたが,35km地点,71km地点いずれでも元気そうな姿でした.終盤の雨と寒さの中できっちり時間内完走を果たすあたり,やはりこのコースを一度完走していたことが自信になっていたのかもしれません.高橋さんはこれで100km2勝目です.NMC女性ランナー代表の底力を見せてくれました.

徳武さ:序盤のトレイルあたりからすでに苦しそうだったので,正直なところ完走できるかどうか心配でした.でも稲子湯から中間点への下りで息を吹き返したようです.その後も粘って滝見の湯では残り4時間30分.私は「時間は十分あるからあきらめないで.絶対完走できるから!」と言って送り出したのですが,内心は....しかし最後まで粘り抜いて,制限時間わずか44秒前でのゴール.先に待っていた仲間全員に感動を与えてくれました

三野:長野マラソンからのケガが完治していなかったようです.三田さんの書き込みにもありますが,野辺山は故障があると絶対に完走できない,私も三田さんもそんなランナーを(自分の体験も含めて)たくさん知っています.下りが走れなくなったからリタイヤという三野さんの判断は適切です.ゆっくり休んでケガを治してください.

石川:イイワケはしたくないのですが,萩往還で負ってきたキズは想像以上に深かったです.15km手前ぐらいからもう歩き始め,トレイルを下りきった26kmのエイドでリタイヤ宣言を出しました.今月は治療に専念します.回復が思わしくなければ6月の24時間走を欠場することも考えています.しかしこれでリタイヤ歴が11回に増えました.こんなことならはじめからスタートしなけりゃよかった,とちょっと反省しています.「ダブル温泉+かつどんで完走」は来年にとっておきます.