すばらしい大会を発見

長谷川カップ、24時間山岳耐久レース飯泉さんが参加  2003年10月25〜26日


はじめに

今回、初めて山岳耐久に参加するにあたり、インターネットなどで事前準備のための情報を仕入れた。結局自分が準備したものは・・
@食料・・様々なレポートを見ると羊羹・菓子パン・おにぎり・クッキーなどなど紹介されていた。結局調べれば調べるほど悩ませるものとなった。結局自分が持っていったのは「羊羹」「菓子パン」「クッキー」「都こんぶ」「 大福」。しかし、これは荷物になりすぎた。羊羹もいらない。クッキーも。次回参加するのならば
      「おにぎり」関門ごとに食べたい。
      「うめぼし」
      非常食として「クッキー」ぐらいか。
A・・・・この大会は、最低2Lの水を自ら持っていくことが原則。しかし、どのくらい持っていけばいいのか全くわからない。自分は3Lと500mlの水を持って参加した。これは持ちすぎかもしれない。途中で給水があるので3L以下で足りる。2Lでも足りるだろう。
Bライト・・これは大変必要なもの。ヘッドライトと携帯用のペンライトを持っていった。このペンライトが大変便利なものになった。
C防寒着・・ウィンドブレーカー。大変役に立った。やはり寒くなる。
D雨具・・安いカッパを持っていった。きっと役に立たなかったかもしれない。他のベテランランナーたちは、ゴアテククスの雨具を持っていた。用意したいが高くて買えない。
E・・・トレイルラン用の靴を紹介されていたが、自分ははき慣れた「サロマ2000」。充分だった。

大会当日

平成15年10月25日(土)〜26日(日)が大会日程だ。受付時間が25日10時〜12時、五日市会館だ。12時までに受付締切と言うことで長野発を少し遅らせた。青梅マラソンの時は始発を利用するが、始発でなくても時間には間に合うことができた。

数日前から風邪気味で微熱があった。自分でも参加できるかわからない状態。しかし、受付だけは済まそうと思い、東京に向かった。しかし、人間の体とは不思議なものだ。会場に近づけば近づくほど、微熱が下がっていくのがわかった。

電車も会場に近づくと、長谷川カップに参加するであろうと思われる人がチラホラと見ることができた。その中で、HP上で大会を紹介していた方らしき人もいた。声を掛けようかと思ったが、間違っていては失礼と思い、止めておいた。

武蔵五日市駅に到着。11時過ぎだと思う。駅について驚いたのが「遭難者情報」だ。なんと駅の壁に「探し人」として遭難者の情報を提供してくださいというチラシが貼られていた。それもこれから自分が走るコース内である。これを見た瞬間、大変な大会に参加してしまったと後悔した。

五日市駅を出て、坂道を上り受付会場である五日市会館へ・・

駅から坂道を上り会場へ、ここは五月の連休で走った「武蔵野の路」のコース。見慣れた道である。大会の緊張感もあるが懐かしさがこみ上げてきた。

受付を済まし、会場にはアートスポーツが出店されていた。ヘッドライトなど安価で販売されていたようだが、リチウム電池は市販されている価格より高値で販売されていた。これには少しムッとした。会場からスタート地点である五日市中学校体育館へ行く。そこで着替えをして、スタート地点である校庭へ。

参加者を見ると様々なスタイルで参加している。登山スタイルの人も。

しかし山岳耐久であるにもかかわらず、女性の参加者の多さには驚いた。それだけ魅力的な大会なのであろう。

開会式を済ませ、スタート・・

スタート〜3つの関門〜ゴールへ

13時に一斉に校庭をスタートした。

走っていくと「武蔵野」で走った道が見えてくる。考えてみれば武蔵野は山岳耐久の逆コースを走ったんだっけ。それが走りながら実証されたって感じだった。

スタートすると変電所を横切る。ここも武蔵野の時走ったコース。そこから走り続けると地元のご厚意か御輿が出ていた。その御輿を見ながら坂道を登る。途中、左手に今熊神社が見えてくる。確か武蔵野の時は、ここで給水をしたっけと思いながら、山中を走る。正に武蔵野を逆送する。坂道ならばあっと言う間だが登りとなると予想以上に時間がかかる。走りながら道案内らしきプレートを見かける。「入山峠」「醍醐丸」など武蔵野で走ったコースだ。あの時はこの辺り下りで良かったのだが、今回は登り。さすがに予想上に時間がかかった。

ちなみに第一関門の浅間峠(22.66km)着が、17時28分。4時間30分弱かかった。そこから数々の山々や峠を上り下りしていく。第二関門月夜見山に行くまでがかなりの時間を要した。途中の三頭山(標高1527m)の登り道も凄かったが、そこまでに行く途中の山と峠もかなり登りごたえがあった。走っていると前のランナー達がどのように自分に写るかというと、正面に壁があって、その壁に数個のイルミネーションが飾られているように見える。それだけ登りの斜面が急なのだ。山や峠の頂上への過程は大変だったが、頂上から見る景色は格別だ。葛飾北斎「冨嶽三十六景」に「赤富士」という作品があるが、この大会で初めて「黒富士」を見た。これはいったい何ぞやと感じるかもしれないが、どの山の頂上か忘れたが、(もしかしたら三頭山かもしれない富士山が)街の光が富士山を後ろから照らし、黒く富士山の影だけが見えるのだ。この神秘的な富士には感動した。

第二関門の月夜見山(42.09km)着は9時間23分。22時23分。ここで水の補給がある。確か三種類の水(ポカリとか水、エネルゲン?)を選択する。自分は水を1.5Lを選ぶ。かなりの人が休憩していた。この辺になると寒さも少し厳しくなった。仮設トイレで用を足し、ビスケットと菓子パンを食べ急な坂道を上り始めた。次は避難後屋のある御前山だ。

第一関門からストック使用が許され、ストックを持ちながら走るランナーが増えてきた。というより持っていないランナーの方が多いかもしれない。また迷っては困るので、手当たり次第ランナーを見つけ、その人の後ろをピッタリついていったのだが、彼ら彼女らは一向に給水しない。あとでわかったのだが、リュックに備え付けの水筒があるらしい。ビニール袋上のもので、それを背負いながら走るようだ。そして飲みたくなったら、そこからホースのようなストローが自分の口元まで伸びており、それを吸うのだ。便利なように思えるが、なま暖かい水を飲むのもなぁと思ってしまった。

さて、第二関門を過ぎると大岳山だ。ここはあわびのねむりんごさんの助言でもあったように岩場であり鎖場だ。鎖一本で登ったり岩にへばりつきながら移動する所も数々あった。落ちてしまえば大変な事故につながると思うのだが、何故かこういう所は自分は好きらしい。ドキドキしながら走ることで楽しかった。一人でこのコースを対処したら恐怖感のみで終わってしまうだろう。しかしちょうど自分がトライしていた時は数名のランナーがいたので楽しく登ることが出来た。

そこから第三関門御岳山(58km)着。14時間31分。朝の3時31分ぐらい。ここでかなりの人がリタイアしていた。自分もこの地点に来た時は正直、リタイアという言葉が頭をよぎった。ここまでがかなり辛い。道路で少し仮眠して、ゴールを目指す。関門を下っていくと御岳神社が見えてくる。この境内の中にある水場で補給。チョロチョロ水でかなり時間をロスする。今考えれば水はかなりもっていたわけだから給水する必要がない。しかし、何故か給水をして時間を消耗することに・・

その後、日の出山へ・・

標高が902mとそんなに高い山ではないのだが、ここから東京方面が一望できた。天の川のような夜景にずーと見とれてしまった。

ここからはもう、ゴールは近い。

途中、ゴールで記念写真というのがあるというのを聞いていたので、ゴール手前10kmぐらいの所で、わざわざ着替えをしてゴール。

しかし、ここでもかなりのランナーに抜かれてしまった・・

辛いけどすばらしいコース

風邪による不調で完走はムリかと諦めていたが、予想外に元気が出て完走してしまった。前日の雨で道は泥だらけ。何度か転倒したが大けがもせず大会を終了することが出来た。

辛いコースでかなりのストレスも溜まるが、頂上からの景色はそのストレスを解消してくれる。

また、自分の中に素晴らしい大会が増えた。