人とのふれあいに心を惹かれる

−ウルトラの楽しさを堪能− 飯泉さん武蔵野の路マラニック260km完走記

写真がまだ届いていませんが,とりあえず文面だけをupしました.(管理人)


前日のこと

体調・初参加・・・・不安だらけ
 長野マラソンの前後からずーと下腹部の痛みが取れず心配していたが、少しずつではあるが走れる状態になってきた。「武蔵野の路ウルトラマラニック」の受付は前日の5月2日と当日の3日。「甲州夢街道」の反省もあり、コース説明を受けるために前日受付をすることにした。場所は「葛西健康センターゆの郷」。受付場所に着いたのは夕方の6時頃。主催者の岸本佐恵子さんの面識は全くなく、不安を抱えて受付に・・。そこで初めて岸本さんにお会いした。参加にあたりメールなどいただいていたが、そのメールの感じだと何となく優しそうな方に思えていたのだが、予想通りの方で安心した。
 コース説明は7時30分からということで、それまでの間食堂で食事をすることに。なんとそこでは演歌歌手のショーをやっているではないか。名前は忘れてしまったが、その女性演歌歌手と握手をして妙にうれしくなった。
予期せぬ激励に
 そんな心が落ち着かないとき、携帯がおもむろに鳴り響いた・・一体誰だろうと出てみると、なんとあわび試走会のゆうゆうこと渡辺優子さんではないか。なんと陣中見舞いと言うことでわざわざ来てくれたのだ。彼女から励みの言葉と「アミノバイダル・プロ」10袋をいただき、コース説明会に参加した。
 この大会、ホント内々の大会らしく長野からの参加である自分は、本当に珍しがられた。それが逆に岸本さんに気を遣わしてしまったようにも感じた。しかし、見知らぬ集団の中での参加ほど心細いものはない。そんな時のゆうゆうさんの激励は自分にエネルギーを与えてくれたように思う。
それでもやっぱり不安
 一日目から三日目までの行程の説明を受け、とにかく地図だけを頼りに走ることに不安を覚えながら就寝。しかし、この就寝がくせ者なのだ。この三日間ずーっと健康ランドの仮眠室で就寝するのだが、連日スタートが朝5時。5時にスタートするためには遅くとも4時30分ぐらいに起床しなければならないのだ。その起床時間を守るのは自分自身の感覚のみ。周りのお客さん達に迷惑をかけないために、自分の責任の中で起きなければならない。誰も起こしてはくれないのだ。

大会当日(第一日)

いよいよスタート
 前日はシアタールームで仮眠。起きたのが4時30分ごろ。仮眠室から出るともう、準備万端で外に向かう人たちの姿・・もう、焦りながら「ゆの郷」を出てみると階段で記念撮影が行われていた。その記念撮影が終わるとスタートだ。
 一日目は、江戸川河口から葛西臨海公園へ行き、その後浅草などで寺社巡りをして日本橋。そこから六郷橋から多摩川土手を走り多摩ニュータウンへ。そこから町田街道を抜け、八王子健康ランドフロッピーだ。
いきなり迷子に
 葛西臨海公園まで走ると雨が降り出した。また雨の中のウルトラか・・と思いながら浅草寺を目指す。浅草寺から上野公園は一本道であるので、ここは自分のペースで走ろうと思い、一人ランへ。これが間違いの始まりだった。不忍池から湯島天神のチェックポイントに向かうのだが、距離にして3km程度。しかし、何を間違えたか東大の安田講堂に行ったりと迷子になり、3kmを1時間かけて走ることに・・。そこから次は日本橋元標公園へ。しかし、ここでも道を間違えて最悪のランニングになってしまった。結局、浅草寺までは大会参加の選手達を見ながら走っていたが、その後は全く会うことなく一人ラン。やっと同じ参加者を見つけたのが旧東海道を走り、第8チェックポイントの「鈴が森刑場跡」。ここでも間違えそうになるのだが、そんな自分を正式なコースに導いてくれたのが、エコ・ジャニークラブの鈴木正一さんだった。彼のお陰で、無事に第8チェックポイントに着くことが出来た。
このお値段で,このエイドとこの出会い!
 この大会、参加費が9000円。エイドは数カ所のみと聞いていたので、「甲州」同様自分で調達するものと思って参加していたが、それは嬉しい誤算だった。予想外にエイドが充実していたのである。この第8チェックポイントでは、ラーメンなどたくさんの食材がありお腹だけでなく、心も満たしてくれた。そのエイドのボランティアが「岸上ご夫妻」。このご夫妻とは、深川不動のチェックポイントでもお世話になったのだが、奥様が湯田中出身と言うことで、大変お世話になった。そしてもっと凄いのがこのご主人。なんと先週行われた「さくら道270km」の完走者なのだ。
 ここで参加者およびボランティアの方々について紹介しておくと、各々お名前は存知得ないが着ているTシャツからただ者でないのが直ぐわかった。たとえば岸上ご主人は「さくら道」のTシャツ、その他アメリカ横断のTシャツなど。そんな方々と一緒に走れること自体嬉しかった。
知ってしまった禁断の液体・・・最高の気付け薬
 このチェックポイントから、東京国際の折り返し地点を通過して六郷橋へ。ここから多摩川の土手を30kmほど北上して多摩センターへ。この日、午前中は天候不順であったが、午後より快晴へ。その晴天の中、多摩川を30kmラン。途中、ばてて倒れている選手数名を見かけた。後で聞くと、ここでリタイアした人が多かったようだ。自分にとって暑さより辛かったのが、多摩川の土手でたくさんの家庭がやっていたバーベキュー。もう、肉の良い香りとビール・・。もう食欲との戦いでありました。途中、二子多摩川の野川の橋でのエイド。今までランニング中、絶対に口を付けたことがなかったビールを飲むことに。もう、我慢の限界・・・このビールで、再び元気を取り戻し、大栗川合流点へ。ここに来ると午前中、自分が迷子になり見失っていた選手たちに会うことができた。よくウルトラの大会でビールを飲む人がいるが、これは理解ができるようになった。気付け薬としてビールは最高だ。
初日は無事終了?
 この辺りから、一緒に走ったのが京都から出場の「朝倉さん」。女性だがペースが速い。この人とその後町田を抜けて一日目のゴール地点である八王子健康ランドフロッピーへ。後で知ることになるのだが、この人高知の四万十川ウルトラマラソンで100kmを9時間で走る強者だったのだ・・しかし、彼女のお陰で午前中、自分と同じペースで走っていたランナーを八王子に着くまでに数人抜き去ることが出来た。

地獄の山岳マラソンと迷い子(第二日)

初日の夜
 前日八王子に着いたのが、夜の11時45分。それから風呂に入って仮眠室へ。しかし、夜の12時ぐらいのお客にとって仮眠室はあってないようなもの。ベッドなど全く空席がないのだ。しょうがないので自分でありたけのタオルケットを床にひき、仮眠を取ることにした・・
合わないシューズに苦戦・・・また迷子に
 睡眠時間が4時間ぐらいだろうか。二日目は4時ごろ目覚めた。
 今回、一番の失敗はランニングシューズ。クッション性の良いものを履いたのだが、このシューズ少しばかり足の幅が合わない。二日目になる頃には足も膨張し、つま先あたりが靴にあたり痛くて走れない。それなのに二日目は高尾から和田峠・入山峠を越えて、五日市へ。ここは24時間山岳耐久のコースが少し被っているのだ。高尾の頂上までも大変な傾斜なのだが、ここまではほんの序の口。高尾から陣馬山そして小仏峠は山道。舗装などされていない。走ると言うより坂を四つんばいではい上がるって感じだ。ここで足の痛みから集団から外れ、一人ランへ。スタートが速かったせいか、先頭集団を走っていたのだが、小仏峠から道をまた間違えてしまい、一人下山してしまうことに。ここでまたロスタイムが生まれた。一度下山した所から再び登りへ・・
山岳コースに挑む・・・野辺山の馬越峠など赤子同然のコース
 そんな不安な自分を助けてくれたのが、前日お会いした鈴木正一さん。毎回山岳耐久でボランティア参加している鈴木さんにとっては何ともこのコースは簡単なコースらしく、鈴木さんと五日市まで走らせてもらった。山道はずーと鈴木さんと話しながら走る。話によるとこのコースは企業の陸上部の練習コースだそうで・・そういえば数名の一般ランナーに数回抜かれた。(しかし・・野辺山の馬越峠なんて赤子同然のコースですよ。山岳耐久コース・・10kmのみの体験ですけど。)
 当日は、救急車など多く山に入り込んでいた。山火事があったらしい。それと途中のエイドで聞いた所によると前日一人入山したおばあさんが遭難して捜索されていたとか。そんな遭難しそうなところをリュックを背負って走っている自分たちって何なんだろうと思ってしまった。
 山岳コースはだいたい30kmほど。結局、山を出たのが14時45分。一緒に走っていた鈴木さんは五日市でリタイアして、一路二日目のゴール「湯ーとぴあ荻窪」へ。
三度目の迷子
 ここで、またまた迷い子に・・五日市とは全く別の方へ走っていってしまったのだ。気づいてコースに戻ったときはもう、前にはランナーなどいなくなっていた。このロスタイムがゴール時間を3時間延ばすことに。この後チェックポイントが3カ所ばかりあるのだが、到着があまりにも遅く、撤収したあとだった。
ビッグネームたちとの出会い
 その日のエイドのお目当ては、「トライアスリートのスパゲティ屋アスペン」。玉川上水をずーと東京方面へ。途中、偶然にも辻本さんというランナーに遭遇し、一緒に走ることになった。「アスペン」に着いたのが、20時54分。もう撤収している所だったが、自分たちに気づくと、わざわざまた店を開けてくれて、ビールとカルボナーラをごちそうになった。ついでにご主人と記念写真を撮った。そこに同席していたのが昨年「アメリカ横断」に参加されていた下島伸介さん。この大会参加者で名前のみ知っていたのが武石さんと貝畑さん。どうしても下島さんの名前が浮かばずに失礼なことをしてしまった。
四度目の迷子も・・・元気回復!
 その後、玉川上水に沿って、荻窪に向かっていった。玉川上水というと、確か太宰治が女性と入水自殺をした所。そんな印象しかない所だったが、予想外に自然が豊富な所だった。真夜中のランだったので、景色は全くわからなかったが、緑の多い緑地苑って感じだった。
 その玉川上水、中央線の三鷹駅で交差してそのまま井の頭公園の方に抜けていくのだがこの三鷹駅から井の頭公園までの道路でまたまた迷子に。結局、地域の方に聞きながらやっとのことで環状八号線にたどり着いた。
 ゴールの「荻窪」に着いたのが1時6分。嬉しいことに入り口で、主催者の岸本さんやエイドでお世話になっている岸上夫人が自分を待っていてくれたのである。そして、それよりも自分を元気づけてくれたのが渡辺さんが長野MCの掲示板で自分を応援してくれている応援メールをわざわざファックスで健康ランドに送ってくれていたのだ。これはホント元気づけられましたよ、みなさん。ありがとうございます。
 その後、風呂でアイシングを充分していると大会スタッフの方と談話。就寝前に足の爪にテーピングなどして次の日に備えた。結局就寝したのは2時半ぐらいだった。

ラストラン(第三日)

新ウルトラの女王 加村さんの手料理
 最終日と言うこともあり、緊張していたせいか、前日さほど寝ていなくても自然に朝4時に起きることが出来た。
 今日の第一エイドはなんと、あの「さくら道」を二週連続で走り、新ウルトラの女王といわれている加村雅柄さん宅だ。数十人が一度にお伺いしては迷惑になると言うことで、スライドして出発。自分は5時15分にスタートした。
 加村さん宅は、スタートから3kmほど走った所にあった。ドキドキしながらご自宅へ。そこには「ランナーズ」などで紹介されている加村さんより、ひとまわり体全体が絞れている加村さんがいたのだ。加村さんも先週「さくら道」に参加されたそうで、しっかり腕など日焼けしていた。また第一印象というと、「姉御」て感じだった。テーブルには様々な食べ物が用意されていた。すし・うなぎのまぶし・カレーライス・ケーキ・ビール、まだ書ききれない・・自分は多摩川のラン以来ずーと「カレーライスが食べたい」と思っていたので、加村さんお手製のカレーライスをいただいた。もう感動であった。もう少しゆっくりしていたかったが、そうもいかない。一人一人加村邸をスタートしていく。後で聞いた話によると、結局加村邸で朝から酒盛りが始まり、お昼の1時まで在宅されていたランナーがいたそうだ。
今日は迷わないぞ
 最終日の今日は今までのように道に迷いながら走っていてはゴールも遅くなってしまうし、完走もあわゆくなるという恐れから、ベテランランナーについていこうと心に決めていた。そんなとき、一緒に走らせて頂いたのが昨年「トランス・エゾ」に参加された渡辺哲さん。この日はここからゴールまでずーと渡辺さんと一緒に走らせてもらう。
作戦成功
 ここからあの有名な「石神井公園」に向かう。そこから光が丘公園、赤塚。そして荒川土手をラン。鹿浜橋、毛長川から神明六木歩道、水元公園そして柴又帝釈天そして江戸川土手から旧江戸川、ゆの郷ゴールである。全て渡辺さんに引っ張っていってもらった。本当にありがたかった。お陰で、三日目であるのにも関わらず、テンポ良くランニングが出来た。
最高の大会だった
一日目の多摩川は暑さとの戦いであったが、荒川から江戸川などは暑さもあったが、集中して走ることが出来た。この日もエイドがたくさん用意されていたが、一番心に残っていたエイドはスタッフの方のそばは何とも言えないくらいの美味しさ。疲れを吹き飛ばしてくれた。
 しかし、この日は東京都内にある様々な公園を通過したが、ホント東京都の残された自然を巧みにコースにちりばめ、ランナー達を楽しませてくれた。最後、ゴールで主催者の岸本さんと記念写真を撮り、岸上夫人とも写真を撮って頂いた。
 ゆうゆうこと渡辺さんもわざわざ駆けつけてくれて、最高の大会になった。

最後に

 武蔵野の路ウルトラマラニックは今回で最後のようで、非常に残念です。そして、海宝さんら主催の「さくら道270km」も来年度の開催予定は未定とか。超ロングの大会がこれで開催されないとなると、五月の連休も寂しいものになりそうです。
 最後に、掲示板を通して応援してくれたクラブの皆さん、そしてゆうゆうこと渡辺優子さん。本当にありがとうございました。ウルトラは自分との限界に挑戦という事と人とのふれあいを再確認できる・・そんな所が心惹かれるんじゃないかなぁと思いました。
公式な記録はまだ頂いてませんが・・
1日目走行時間18時間45分(115.0km)
2日目走行時間20時間6分(76.5km)
3日目走行時間11時間12分(68.5km)
総合走行時間50時間3分(260km)