2002年8月6日〜7日の笠が岳登山記
登山者:細野哲夫(74)・三田茂延(51)
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笠新道の入り口の最後の水場で朝食後、アミノバイタルプロを飲んでもらう |
8月6目。明るみだした新穂高温泉の駐車場を午前5時20分に出発する。左俣谷の蒲田川沿いに歩く。ウグイス、キセキレイ。不思議とヒョドリは見えない。6時15分笠新道の登り口につく。朝食にしようとリュックを開く。なんとしたことか、宿で整えた二人分の朝食がない。車に置いてきてしまったのだ。細野さんの予備のむすびをもらう。後は十分持ってきたマラソンで使うサプリメント類、1個がむすび1つに相当のゼリーものやカロリーメイトで間に合わせる。
6時30分、北アルプス三大急登といわれる登山道へ入る。先を行く細野さんは、74歳というお年だが果たして登りきるのだろうか。昨年、ブナ立をのぼった実績と事前の雨飾1回、飯綱2回の登山実績を聞いて、あえて厳しい「笠新道」を選んだが…。その笠が岳山荘まで長い道のりは水場がないので、5リットルをわずか切るく二人分にしても多い多量の水を背に細野さんの後につく。こちらはいわば水係だ。
鬱脊としたブナの原生林を登る。メボソムシクイの声を間きながら7時30分、海抜1,800mの岩小舎沢の旧道との出会いに着く。汗びっしょりになる。給水。
8時15分海抜2,100mの展望台に出る。あいにく奥穂高は見えない。心配した細野さんはきっちりコースガイドの時間配分通りに進んでいく。昨年、急登のひとつ「ブナ立」でみせた脚力は今年も健在だ。時折ウグイスが鳴く。9時00分坂の中間点に着く。ここまで来ると樹木は低くなり、ちょっとしたお花畑も出てくる。9時40分、休んで給水してさらに登る。
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杓子平から来た道を振り返る |
つづら折りの坂を上りきると前方の眺望が一気に開ける。杓子平だ。 どっかとそびえ立つ笠が岳(2,897m)、抜戸岳(2,812m)。ここで一休み(10時55分)。
笠の写真を撮ろうとカメラを向けるといつの間にか雲に隠れている。気むずかしい山だ。大きなカールの中の花畑、ここも細野さんを先にして登る。マルバダケブキ、チングルマ、ミヤマダイモンジソウ、ミヤマキンポウゲ、ハクサンイチゲ、ミヤマリンドウなど初出の花をすべてデジカメに収めながらいく。ホシガラスがハイマツのあたりで鳴きたてるが姿は見せない。11時15分尾根筋への最後の急坂を登り切る。黒部五郎、その向こうに薬師岳が続く。ハイマツの先端にカヤクグリが止まり、頭上ではアマツバメが飛ぴ交う。
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杓子平からあがった抜戸岳の尾根筋で休憩、これから抜戸岩を目指す。 |
文中で気むずかしい山とされた笠が岳はちょうど雲に隠れる |
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抜戸岩を抜けていく細野さん |
10分ほど休み山頂下の小屋を目指す。抜戸岩をすり抜け、緩い起伏の尾根路を行く。12時40分笠ケ岳山荘到着する。細野さんもコースタイム通りの歩きができて満足そう。まず、ピールで乾杯する。山頂まで15分。記念撮影をして、のんびり山頂で過ごす。向かいの槍の穂先が雲に隠されなかなか出てこない。出たと思った瞬間隠れてしまう。山の気象の変化は激しい。下を見ると朝出た新穂高温泉の駐車場が見える。戻って暇なのでビールを重ねる。夜は泊まり客も少なく一畳に一人寝のサービスを受ける。
8月7目。5時45分宿を出る。いないのかと思っていたイワヒバリが石畳の上を移動する。6時35分笠新道の分かれに着く。来た道を帰るのでなく、尾根筋を経て鏡平に向かう。秩父平に7時35分に着き、一休みする。朝の3時に双六小屋を出たという夫婦にあう。起伏した尾根いくつか越えて7時35分に大ノマ乗越の鞍部に着く。この間ウグイスやホシガラスが鳴きその姿もまじかに見せ、ウソも飛ぶ。
2,588mの弓折岳には9時15分に付く。細野さんは今日も順調だ。筋肉疲労を取り除く「アミノバイタルプロ3600ml」も効いているのだろう。
鏡平小屋10時00分着。ビールで喉を潤し、昼飯をとる。鏡池では前に逆光で失敗している槍・穂高バックに写真を取り直す。うまいこと1枚は槍の穂先の雲も動いて撮影は成功。
後は既に歩いたことのある長い下りを行き、13時新穂高温泉にまさに無事着く。車をおいてある村営の駐車場からやはり笠が見えている。
槍(96年)、奥穂(97年)、双六(98年)、雲ノ平(01年)の各所から必ず見えていた笠が岳、これへの登山が終わった。細野さんとは、次年いよいよ残る黒部五郎を目指す。
日本野鳥の会長野支部報「野鳥ながの」No.392
(2002年11月1日)より。同文ではイニシャルのTさんをフルネーム記載、また写真を加えてアップしたもの。
細野さんのホームページ
日本野鳥の会長野支部のホームページ
日本野鳥の会のホームページ ここにはインターネット野鳥図鑑もあります。本文に出てきた野鳥はこれにて参照下さい。